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新型コロナウイルス感染拡大に関する理事長からのメッセージ

平素は大阪自然史センター(以下、センター)の活動をご支援いただき、ありがとうございます。新型コロナウィルス感染症の感染拡大が報じられるなか、個人にできることといえば、ただただ人との接触を避けるだけという、何とも歯がゆい状況が続いております。すでにご承知のように、感染拡大を防止するという観点から、センターの活動拠点である大阪市立自然史博物館(以下、博物館)は2月29日から休館されています。またその後、緊急事態宣言が発令され、休館は少なくともゴールデンウイーク明けの5月6日まで継続されることになりました。

博物館の休館措置の下、センターの活動も大きな制約を受けざるを得ず、とくにミュージアムサービスの柱となる館内のミュージアムショップ(以下、ショップ)は、閉鎖されたままになっています。センターはショップ以外にも子どもワークショップの運営、博物館友の会のサポートなど、多様な活動を通して博物館事業の支援活動を継続してまいりましたが、ワークショップも全面的に中止・延期のやむなきに至っています。

センターは認定NPO法人として活動しておりますが、現状、ショップの経営やワークショップ事業の受注と実施を通して、職員が日々の生活の糧を得ています。こうした経営は一般の小規模企業と何ら変わるところなく、多くの収入の道を閉ざされた現在の状況はまさしく危機的です。

しかし、現時点で先は見通せないものの、歩みを止めてしまうことはできません。事業を再開するときに備え、日々の研鑽や企画の立案などの準備は続けねばなりません。とはいえ、現在の切迫した減収状況を乗り切るためには、経費をできるかぎり切り詰めねばなりません。そこで、事務局内での検討を重ね、はなはだ不本意ながら、センター職員に一部休業をお願いすることになりました。

ただし、日常業務や履行責任を伴う業務がおろそかにならないようにするとともに、来るべき再開時に起動力が損なわれないよう、企画・実行力が高い職員構成を維持しつづけねばなりません。さいわい、現在のスタッフは高い能力とモチベーションを保持しています。自然に親しみ、実物とふれあうことによって得られる何事にも代えがたい、博物館ならではの経験をサポートしようとする意欲にあふれたメンバーが揃っています。

法定の休業手当だけで生活を維持するのはとても困難な状況と認識し、受けられる国や地方自治体などの補償はすべて受け、納税や保険料の猶予措置なども必要を見極めて申請しながら、センターの灯を絶やすことのないよう、職員の雇用を続けていきたいと考えています。

このような逆境のなか、うれしいことに新しい仕事の声掛けをいただいたり、営業中のネットショップは従来に増すご注文をいただいておりますが、平常時に来館してお買い上げいただく金額には遠く及びません。日ごろからご支援いただいている皆様にこうした窮状をご報告するのは誠に申し訳なきことながら、現状を認識していただくために、過去に例のないメッセージを発信させていただくことにいたしました。

4月末には例年、博物館とセンターの前年度事業の報告会を開催しておりました。残念ながら今年は開催が叶いませんが、事態が落ち着きましたら、別のかたちでのご報告を検討したいと思います。皆さまにはこのような状況をご理解いただき、センターの事業継続にさらなるご支援をいただきたく、お願い申しあげます。

2020年4月23日
認定特定非営利活動法人 大阪自然史センター
理事長 梅原 徹




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