大阪生物多様性保全ネットワーク
生物の生息環境の保全と回復へ向けて
大阪には、古くから町人が町を支えてきた歴史があります。自然に目をむける町人も多く、現代でも大阪の自然をことのほか詳しく研究し、しっかりとした学術的背景をもった市民研究者が大きな足跡を残しています。その伝統は、府内各地での自然に対する啓発活動を数多く生みだし、少なからず地域の自然の保全に貢献しています。
大阪生物多様性保全ネットワーク推進事業
2012年3月24日、NPO法人大阪自然史センターが事務局となり、「新しい公共の場」として、教育機関・研究機関・NPO・行政・地域などの相互の連携をはかり、生物多様性の保全に向けた取り組みを行う組織として、「大阪生物多様性保全ネットワーク」が設立されました。 生物多様性調査については、RDB専門部会のもとに15の分科会を設け、継続的に府内の生きものなどの資料・情報収集など行い、それらの現況を把握するとともに、希少種や保護すべき環境についての考察などを行います。また、普及啓発イベントの企画・運営や情報発信などのための普及啓発専門部会も設置します。
大阪生物多様性保全ネットワークがめざすもの
- 現在、直接間接を問わず、様々な人間活動にともなう人為の影響により、急速に生物多様性が失われつつあります。わずかに残っていても、十分に認識されずに損なわれつつあることも多く、これは人と自然のつながりが希薄になっているためでもあります。
大阪府においても、府内に生息する野生生物の約1割にあたる896種の生き物が絶滅の危機に瀕しており、地域における生物多様性の保全が課題となっています。
行政と市民研究者、学術研究機関が連携し、それぞれがもつ自然情報の一元化と埋もれたままの貴重な情報を集約するとともに、自然財産としての有益な利活用ができる仕組みづくりを行っていきます。
また、生物多様性の重要性に対する理解を深め、生物多様性の保全に資する活動を多様な主体が協働して推進するため、ネットワークを活用した情報収集・整理による知見の集約化と、生物多様性の総合的な窓口としての情報発信なども考えています。
2012年度の主な事業
基礎調査
- 大阪府内に生息する野生生物の分布、生息・生育状況等の把握
- 在来種の生息や府民生活に影響をおよぼす外来生物についての現況把握
- 「大阪府における保護上重要な野生生物(大阪府レッドデータブック)」(2000)の見直しと更新に向けた体制づくり
- 暫定版レッドリストの作成
普及啓発
- シンポジウムやパネル展示の開催
- 普及啓発用のリーフレットの作成・配付
- WEBサイトやメーリングリストなどでの自然情報の発信
- 基盤整備研修会の開催