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当館学芸員が国際誌に論文を発表!「デスモスチルスは泳ぎが上手 骨の微細構造が明らかにした『謎の絶滅哺乳類』束柱類の生態」
2013年04月03日

 このたび、大阪市立自然史博物館 林 昭次学芸員を中心とした日本とドイツの研究チーム(著者一覧参照)による『謎の絶滅哺乳類』束柱類(そくちゅうるい)の古生態に関する研究論文が、アメリカの Public Library of Science社より刊行されている学術雑誌 PLOS ONE において4月3日午前7時付け(日本時間)で出版されました。
 論文タイトルは 『Bone inner structure suggests increasing aquatic adaptations in Desmostylia (Mammalia, Afrotheria) 』 で、日本語訳 は『骨内部組織により明らかになった束柱類(哺乳綱アフリカ獣類)における水生適応の変遷』です。
下記ホームページで閲覧できます。
http://dx.plos.org/10.1371/journal.pone.0059146

 束柱類はおよそ3000万年前から1000万年前にかけて北太平洋沿岸(日本や北米西海岸など)に生息していた絶滅哺乳類です。他のどの動物(絶滅動物も含む)にもみられない奇妙な海苔巻き状の「柱を束ねたような形をしている歯」をもっていることから、束柱類という名前がつけられました。

 束柱類は日本の古生物学にとって、重要な化石であり、中学・高校の地学の教科書でも紹介されております。その理由としては、束柱類の代表であるデスモスチルスが1)日本で名前がついた脊椎動物化石の第一号であり、2)日本で最初の脊椎動物化石の復元骨格であること、さらに3)日本でしかデスモスチルスの全身骨格が発見されていないため、海外に誇る日本を代表する脊椎動物化石であること、4)他のどの動物(絶滅動物も含む)にもみられない海苔巻き状の柱を束ねた特殊な歯の形をしていることから、束柱類の生態が世界的に注目を集めていることが挙げられます。

 大阪市立自然史博物館の第2展示室「地球と生命の歴史」には、この日本を代表する脊椎動物化石である、デスモスチルスの全身復元骨格が展示されています。また、この研究の成果を反映したデスモスチルスの生態復元画を4月3日より展示します。

研究の要約は下記の通りです。
より詳しい内容については、プレスリリースをご覧ください。

デスモスチルスは泳ぎが上手
骨の微細構造が明らかにした『謎の絶滅哺乳類』束柱類の生態

要約:
◆『謎の哺乳類』束柱類の骨の微細構造を初めて分析し、現在生息している哺乳類と比較した。
◆その結果、束柱類が従来言われていたような陸生や半水生の動物ではなく、カイギュウやアザラシ類のような海中生活者だったことが明らかになった。
◆束柱類の進化の過程で、緻密で重い骨をもった種類と、海綿状の軽い骨をもった種類とが出現した。

Desmostylus-press-shizenshi.jpg
左図:「安定型」の束柱類アショロアの生体復元図と緻密な内部構造を示す肋骨
右図:「活発型」の束柱類デスモスチルスの生体復元図と海綿状の内部構造を示す肋骨
(c)新村龍也・足寄動物化石博物館

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