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香川県初の恐竜化石が寄贈されました
2016年08月10日

 このたび、大阪市立自然史博物館は、香川県丸亀市在住の金澤芳廣氏から、香川県さぬき市に分布する中生代白亜紀後期カンパニアン期(約8300~7200万年前)の地層(和泉層群)から発見した、大量の化石の寄贈を受けることとなりました。それらの標本を調べた結果、その中に、香川県初の発見となる恐竜化石(胴体の背骨1個)が含まれていることが明らかになりました。

 寄贈された化石は、1986年に発見されていたにも関わらず、断片的なものであったため、恐竜化石と同定するのが困難な標本でした。しかし、今回、大阪市立自然史博物館に寄贈されたことで、大阪市立自然史博物館・北海道大学総合博物館・国立科学博物館の専門家たちによる詳細な分析を行い、この標本が恐竜化石であるということが明らかにできました。一般市民の地道な化石調査で発見された恐竜化石が、博物館に寄贈され、今回の新発見につながった事は「市民と博物館の連携がもたらした成果」と言えます。



発見された部位と恐竜の種類

 発見された恐竜化石の部位は胴椎(胴体の背骨)1標本です(図1、2)。恐竜の胴椎であるとした根拠は、1)椎体の大きさが非常に巨大であり、巨大な脊椎動物のものであること、2)恐竜以外の巨大脊椎動物の胴椎と外形が似ていないこと、3)X線CT撮影による内部構造観察により、骨の内部構造が陸生動物のものと似ていることです。断片的な標本から恐竜の種類を特定することは難しいですが、様々な恐竜の胴椎と本標本を比較した結果、その外形がハドロサウルス類のものと似ていることからハドロサウルス類の背骨の一部である可能性が高いことがわかりました。
 ハドロサウルス類は、中生代白亜紀にアジアと北アメリカで栄えた植物食恐竜で、クチバシがカモのように横に広がり、カモノハシ恐竜と呼ばれることもあります。種類によっては、頭に派手な形をしたトサカ状の突起、もしくはトサカのような軟組織があるのが特徴です。日本では、兵庫県淡路島(和泉層群)、北海道むかわ町などでその化石が見つかっています。図2と3はハドロサウルス類のパラサウロロフスを紹介していますが、このような突起があった種類かどうかまでは特定できていません。

図1_今回発見された恐竜の胴椎化石.jpg

図1 今回発見された恐竜の胴椎化石
点線部は欠損した部分を推定したもの


図2_ハドロサウルス類(パラサウロロフス)の骨格.jpg

図2 ハドロサウルス類(パラサウロロフス)の骨格(画像提供:服部雅人氏)
今回発見された背骨の化石は赤色のあたりの背骨の一つと考えられる


図3_ハドロサウルス類(パラサウロロフス)の生体復元画.jpg

図3 ハドロサウルス類(パラサウロロフス)の生体復元図(画像提供:服部雅人氏)



発見の経緯

 本標本は1986年10月21日に香川県丸亀市在住の金澤芳廣氏によって、香川県さぬき市の山中で発見されておりましたが、何の動物化石かわからずに金澤氏の自宅で保管されていました。2013年から始まった大阪市立自然史博物館と金澤氏との和泉層群の共同化石調査を経て、2015年9月に金澤氏が収集した化石標本一式が、大阪市立自然史博物館に寄贈されることになりました。
 博物館に搬入後に標本の整理を始めた段階で、当館学芸員である林昭次が寄贈標本の中に恐竜らしき骨化石が含まれていることに気づき、北海道大学総合博物館の小林快次准教授、国立科学博物館の真鍋真博士の協力の下、本標本を他の恐竜・大型爬虫類化石と外形・内部構造を比較した結果、ハドロサウルス類の可能性が高い恐竜化石であることが明らかになりました。



寄贈された恐竜化石を特別展「氷河時代 -化石でたどる日本の気候変動-」で展示します

 今回寄贈された恐竜化石を、当館で開催中の特別展「氷河時代 -化石でたどる日本の気候変動-」において展示します。貴重な化石を見られるこの機会に、皆さま特別展へぜひお越しください。
<展示期間>8月11日(木・祝)~10月16日(日)

特別展「氷河時代 -化石でたどる日本の気候変動-」についてはホームページにてご覧ください。
http://www.mus-nh.city.osaka.jp/tokuten/2016hyougajidai/

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