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長田庸平学芸員が森林防疫賞奨励賞を受賞しました
2020年07月16日

当館の昆虫担当の長田庸平学芸員が、全国森林病害虫獣害防除協会発行の学術誌「森林防疫」で発表した論文で、2020年度の森林防疫賞奨励賞を受賞しました。


本論文の内容は、シイタケの害虫として問題になっている蛾の同定技術に関するものです。シイタケの害虫として問題になっているシイタケオオヒロズコガ類と、それに斑紋のよく似た薬用マンネンタケの害虫であるマダラオオヒロズコガの外部形態による識別法を示したものです。これらは前翅の長さが1cmほどの小さな蛾です。


シイタケオオヒロズコガ類(写真1)は複数種を含んでいる一つの属で、どの種もシイタケ栽培における大害虫として問題になっています。この属は種間では斑紋が酷似しており識別が困難で、腹部を解剖して交尾器を調べたりしないと正確に種の同定ができません。

マダラオオヒロズコガ(写真2)は日本や韓国に分布し、マンネンタケ科のキノコを寄主とし、薬用として栽培が盛んな韓国では害虫として問題になっています。日本では害虫としての被害報告はありませんが、外見がシイタケオオヒロズコガ類によく似ており、識別は容易ではなく専門家でも誤同定することもあります。

写真1.シイタケオオヒロズコガ(シイタケの害虫).jpg
写真1.シイタケオオヒロズコガ(シイタケの害虫)


写真2.マダラオオヒロズコガ(マンネンタケの害虫).jpg
写真2.マダラオオヒロズコガ(マンネンタケの害虫)


シイタケの生産の現場において、専門家以外でもシイタケ栽培の現場でシイタケオオヒロズコガ類を属レベルまで同定可能にすることが望ましいと考え、両者の外部形質を比較して識別点を示しました。この論文はシイタケ害虫の同定に関する内容がメインですが、日本では被害はないとはいえマンネンタケ害虫の同定資料にもなればと考えています。


受賞論文:長田庸平 (2019) シイタケオオヒロズコガ類とマダラオオヒロズコガ(チョウ目ヒロズコガ科)の成虫の外部形質に基づく識別法.森林防疫 68(4): 8-12.


シイタケオオヒロズコガ属についてより知りたい人は、以下の和文論文を読んでみてください。斑紋がどれもよく似ていて種の識別は難しく、雌雄交尾器の形態やDNAバーコーディングによって種の識別が可能です。


■長田庸平・吉松慎一 (2017) シイタケ(ハラタケ目:キシメジ科) を食害する日本産シイタケオオヒロズコガ属(チョウ目:ヒロズコガ科)各種成虫の識別法.日本応用動物昆虫学会誌 61(2): 138-144.

■長田庸平 (2019) 日本産シイタケオオヒロズコガ属(チョウ目ヒロズコガ科)の概説.森林防疫 68(3): 11-20.


皆さんの食卓におなじみのシイタケは、栽培するときに様々な害虫の問題が発生します。これら害虫の防除するためには、正確な同定が必要になります。その手引きを作るのが専門家の役目です。

これらの論文はここでは公開できないので、読みたい方がいましたらメール(monitor@mus-nh.city.osaka.jp)でお問い合わせください。


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