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「ジュニア自由研究・標本ギャラリー」・テーマ展示「博物館の学校向け貸出資料」を開催します
2017年11月28日

 大阪市立自然史博物館では、平成29年12月から平成30年1月にかけて、小・中学生、高校生の自由研究の成果を紹介する「ジュニア自由研究・標本ギャラリー」と、標本・紙芝居など博物館の学校向け貸出資料を紹介するテーマ展示「博物館の学校向け貸出資料」、2つの展示を開催します。いずれも博物館による学校教育の支援を目的とした取り組みの一環です。

■「ジュニア自由研究・標本ギャラリー」
大阪市立自然史博物館は、小・中学生、高校生のみなさんの自由研究や標本作りを応援しています。児童・学生の皆さんが作った生き物や岩石の標本や、模造紙や冊子にまとめた研究成果など20点(予定)を展示します。また、それぞれの自由研究や標本には、専門分野が近い学芸員からの手書きコメントも添えていますので、こちらも合わせてお楽しみいただけます。

○期  間:平成29年12月16日(土)~平成30年1月28日(日)
       ※毎週月曜日、12月28日〜1月4日、及び1月9日は休館(ただし1月8日は開館)
○担 当 者:第四紀研究室 中条

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過去の展示の様子(冊子にまとめた研究成果)

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過去の展示の様子(模造紙や冊子にまとめた研究成果)




■テーマ展示「博物館の学校向け貸出資料」
 大阪市立自然史博物館では、学校向けにさまざまな資料を貸し出ししていますが、他の博物館・美術館などでもこういった貸出資料を用意している館があります。標本、紙芝居、写真のパネルなど、自然史博物館の資料だけでなく、他の博物館・美術館の貸出資料をお借りして、展示をします。また、貸出資料について、博物館の関係者と学校のみなさんと一緒に考える研究会も実施します。

○期  間:平成29年12月16日(土)~平成30年1月26日(金)
       ※毎週月曜日、12月28日〜1月4日、及び1月9日は休館(ただし1月8日は開館)
○そ の 他:貸出資料の研究会は、平成30年1月6日(土)午後に実施。
○担 当 者:学校と博物館連携担当 釋(しゃく)

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国語の授業で使える貸出キット タンポポ

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ナガスケ(ナガスクジラ骨格標本の愛称)の紙芝居





(「ジュニア自由研究・標本ギャラリー」・テーマ展示「博物館の学校向け貸出資料」 共通)

○開館時間:午前9時30分~午後4時30分(入館は午後4時まで)
○場  所:大阪市立自然史博物館 本館
○入 場 料:常設展入館料(大人 300円、高大生 200円)
※中学生以下、障がい者手帳など持参者(介護者1名を含む)、
  大阪市内在住の65歳以上の方は無料(要証明)。30人以上の団体割引あり。




プレスリリース


博物館の学校向け貸出資料チラシ(チラシ表面)
博物館の学校向け貸出資料研究会チラシ(チラシ裏面)

<プレスリリース>半世紀ぶりに明らかになったクジラの正体―大阪の地下に眠っていた骨は、縄文時代のカツオクジラだった―
2017年11月22日

 このたび、大阪市立自然史博物館が取り組んだ「大阪市の完新統(第四紀)から発見されたカツオクジラ」と題した研究論文が、米英の古生物学の学術誌「Palaeontologia Electronica(パレオントロジア・エレクトロニカ)」(2017年10月17日出版)に掲載されました。
 この論文は、ミンククジラとされていた化石を再調査し、カツオクジラであることを明らかにし、まとめたものであり、当館所蔵のクジラ化石の調査による国際的な研究成果です。


研究に使用した標本は、平成29年11月23日(木祝)から大阪市立自然史博物館・第2展示室の常設展示として展示します。



【研究について】

◆概要◆
 1966年、大阪市東成区の地下鉄今里駅周辺の工事中に、地下14メートルの深さから、クジラの骨が発見されました。当時の新聞は「骨がでてきた」「人骨か」「すわ!一大事」「警察官がかけつけて・・・」「ひやっとした」などと書き立てました。当時の大阪市立自然史博物館館長の千地万造(故人)は、「クジラの骨である」とインタビューに答えています。
 その後、1976年に鯨類研究所の大村秀雄博士(故人)によって、「ミンククジラである」と論文で発表されました。

 2017年4月に鯨類化石を専門とする田中嘉寛が大阪市立自然史博物館の学芸員として着任し、元大阪市立自然史博物館学芸員で、現在は同館外来研究員である樽野博幸と共同研究を始め、2000年代に深まったヒゲクジラ類の形態の知見に基づいて、1966年に大阪市東成区で発見された化石の再検討を行いました。その結果、クチバシ(吻部)や頭にある骨の形から、この化石がミンククジラではなく、カツオクジラであると明らかになり、その成果をまとめた論文を国際誌に投稿しました。
 カツオクジラもミンククジラもヒゲクジラの仲間で、カツオクジラはミンククジラよりも稀な種です。日本国内では、生きていたカツオクジラについては過去に12例の報告があり、そのうち6例のみが骨標本として国立科学博物館など国内の研究機関等で保存されています。今回研究したカツオクジラは、化石としては世界で初めての発見です。生きているカツオクジラの発見記録が増えることで、カツオクジラがどこからどこまでのエリアで生きているのか、分布情報を明らかにできます。そして今回のように化石が見つかっていけば、いつからどこにいたのか、という過去の分布も明らかになっていきます。化石によって時間軸も考えることができるようになるのです。本研究のような研究の積み重ねによって、進化や絶滅といった大きな研究テーマにせまることができます。本研究はそのための大切な一歩です。


◆意義◆
 大阪市東成区からクジラが発掘されてから半世紀が経っています。博物館は資料を後世に保存していくことが重要な仕事の一つです。今回の研究は、収蔵されていた標本を時代を越えて研究し、新しい知見をもたらした一例です。
 また、国際誌で研究成果が公開されたことで世界の研究者が本研究のことを知り、将来世界で行われていく自然史研究に大阪のクジラ化石が組み込まれていくことも予想されます。世界で紹介され、比較されることで、このクジラ化石の学術的価値が高まり、当館の収蔵標本の価値も高まります。


◆今後◆
 今回の研究に使用した標本は、平成29年11月23日(木祝)から大阪市立自然史博物館の常設展・第2展示室に追加展示します。大都市大阪が、かつてはクジラが泳ぐ海であった証拠を広く市民の皆さんに見て頂き、大阪の太古に思いを馳せて頂きたいと考えています。
大阪平野の地下からは、地下鉄工事の際に、他にもいくつかのクジラ化石が見つかっています。大都市大阪の地下に眠っているクジラの種類を明らかにし、太古の大阪湾にどのようなクジラが泳いでいたのかを明らかにしたいと考えています。


図1:本研究で扱った大阪の地下から出てきたカツオクジラの化石(頭骨)(本研究で発表した論文Tanaka and Taruno, 2017より改変).jpg
本研究で扱った大阪の地下から出てきたカツオクジラの化石(頭骨)。
(本研究で発表した論文Tanaka and Taruno, 2017より改変)


図2:化石産地の地図。水色で示されているのは完新世に平野に入り込んでいた海。(本研究で発表した論文Tanaka and Taruno, 2017より改変).jpg
化石産地の地図。水色で示されているのは完新世に平野に入り込んでいた海。
(本研究で発表した論文Tanaka and Taruno, 2017より改変)

図3今回の研究で明らかになったカツオクジラ。.JPG
図3:今回の研究で明らかになったカツオクジラ。
(中央の赤いボードに乗っている標本)




プレスリリース

論文の情報

※本論文はクリエイティブコモンズ・継承・商業利用不可です(CC BY-NC-SA 4.0)。

  • 著者 田中嘉寛(大阪市立自然史博物館 学芸員)・樽野博幸(大阪市立自然史博物館 元学芸員・現外来研究員)

  • 出版年 2017年10月17日

  • タイトル Balaenoptera edeni skull from the Holocene (Quaternary) of Osaka City, Japan(大阪市の完新統(第四紀)から発見されたカツオクジラ)
  • 学術誌 Palaeontologia Electronica (パレオントロジア・エレクトロニカ)

  • 論文の番号 20.3.50A
  • webページ http://palaeo-electronica.org/content/2017/2025-a-japanese-holocene-whale

  • pdf版はここからダウンロードできます:http://palaeo-electronica.org/content/pdfs/785.pdf
  • 臨時休館(平成30年2月5日~2月28日) 改修工事による本館 臨時休館のお知らせ
    2017年11月21日

    大阪市立自然史博物館では、平成30年2月5日(月)より平成30年2月28日(水)まで 本館改修工事のため臨時休館いたします。

    なお、臨時休館中も開催可能な行事は行う予定ですので、ホームページのイベントカレンダーなどでご確認ください。
    花と緑と自然の情報センター内のネイチャースクエア「大阪の自然誌」、学芸員相談カウンター(土日のみ)、ミュージアムショップは、2月5・13・19・26日を除き運営いたしますので、ご利用いただけます。

    たいへんご迷惑をおかけしますが、何卒ご了承ください。

    自然史博物館オリジナル手ぬぐい発売のお知らせ
    2017年11月16日

    zatoukujira.jpg

    現在、自然史博物館の玄関ポーチでは、ナガスクジラの「ナガスケ」、マッコウクジラの「マッコ」の2頭のクジラが皆様をお出迎えしています。
    平成30年春、あらたにザトウクジラの「ザットン」が玄関ポーチに登場する予定です。
    「ザットン」のデビューを記念して、「ナガスケ」、「マッコ」、「ザットン」の3頭のクジラをデザインした手ぬぐいを製作しました。

    手ぬぐいは、平成29年11月18日から博物館ミュージアムショップで販売開始します。
    また、平成29年11月18日・19日開催の「大阪自然史フェスティバル2017」会場でもブースを設置し、販売します。

    この手ぬぐいの売上げの一部 は、「ザットン」の吊り下げ経費に充てさせていただきます。
    皆様には、ご支援をたまわりますようよろしくお願い申しあげます。


    ○価格:1500円(税込) ○数量:限定128本
    博物館友の会ネットショップ http://omnh-shop.ocnk.net/ でも取扱い予定です。


    <ザトウクジラの「ザットン」について>

    平成27年9月、泉南郡岬町に死亡漂着した、全長約7メートル・オスのザトウクジラです。自然史博物館で回収し、解体して骨格標本として収蔵していましたが、平成29年7月15日~10月15日に開催した特別展「瀬戸内海の自然と楽しむ」において骨格を組み立て、初めて公開しました。




    ザトウクジラ全身骨格標本.JPG

    (ザトウクジラの骨格標本「ザットン」)


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    (現在の玄関ポーチの様子。右がナガスクジラの「ナガスケ」、左がマッコウクジラの「マッコ」)

    2017/11/6 サーバ運用を一時休止します【復旧しました】
    2017年11月06日

    いつも自然史博物館をご愛用ありがとうございます。電源メンテナンスのため、2017/11/6 夕方まで、大阪市立自然史博物館のホームページ、メールサーバー、メーリングリストは行事申込受付を含め、一時運用を休止します。
    ご迷惑をおかけしますが、火曜日以降に又ご利用ください。よろしくお願いいたします。

    【追記】18時頃復旧完了いたしました。

    ふるさと寄附金で大阪市立自然史博物館の恐竜骨格の展示に支援を
    2017年11月04日

    大阪市では、大阪市にお住まいの方をはじめ、全国で活躍しておられる大阪を「ふるさと」として応援いただく皆さまの想いを、元気な大阪づくりに役立てるため、ふるさと寄附金を募集しています。

    大阪市立自然史博物館は1974年から恐竜が展示され、市民に親しまれてきました。当時、恐竜は不活発なハ虫類だと思われていましたが 、研究が進んだことで、恐竜は前傾姿勢の活発なイメージになりました。自然史博物館では新しい姿勢の恐竜(アロサウルス)を展示し、恐竜の魅力やサイエンスを紹介したいと考えています。ぜひ、皆さま、恐竜骨格の展示の実現にご支援をお願いします。

    aro_3.jpg  aro_5.jpg

    ◆募集期間◆
    平成29年11月7日(火)~平成31年3月31日(日)

    ◆目標額◆
    1000万円
    (寄附金額が目標額を超えた場合、あるいは、購入金額が目標額を下回った場合は、自然史博物館の他の館蔵品の充実に活用させていただきます。)


    ◆申込方法◆

    1.大阪市ふるさと寄附金申込書からのお申し込みの場合

    チラシ・表面  チラシ・裏面(大阪市ふるさと寄附金申込書) (PDFファイル)

    「大阪市立自然史博物館ふるさと寄附金」チラシ裏面の「大阪市ふるさと寄附金申込書」をダウンロードし印刷の上、必要事項をご記入ください。
    大阪市立自然史博物館 総務課宛に郵送・ファックスによりお送りいただくか、大阪市立自然史博物館 受付カウンターに直接ご持参ください。

    ※詳しくはチラシをご覧ください。
    ※チラシ兼「大阪市ふるさと寄附金申込書(美術振興関係のうち博物館)」は大阪市立自然史博物館 受付カウンターに設置しています。

    2.クレジットカードを利用する場合 (インターネットでのお手続きです)

    大阪市ホームページ(http://www.city.osaka.lg.jp/)の

    市政 → 市政に参加 → 寄付(寄附) → 「大阪市ふるさと寄附金」 → クレジットカード(黄色のボタン)

    をクリック

    入力フォームにおいて、事業の種類で「美術振興関係」をお選びいただき、必ず「恐竜骨格」とメッセージ欄に入力してください。

    みなさまのご支援、ご協力をお願いいたします。




    (この件に関するお問合せ)
    大阪市立自然史博物館 総務課
    電話 06-6697-6221

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